長周期地震動 タワーマンション・オフィスビルが危険!①

免震に限界 超高層マンション近い将来に発生が懸念される東海地震東南海地震では、長周期地震動と呼ばれる大きく長い揺れが超高層ビルなど大都市圏の巨大建造物を襲うとされています。

政府の地震調査委員会が公表した「長周期地震動予測地図」(試作版)では、東海地震発生時に首都圏が特に大きな影響を受け、大きな揺れが長く続くことが示されました。高層ビルの上層階は避難や救助活動が困難で、深刻な都市型災害となる恐れもあります。実際にどんな状況になるのでしょうか?

≪ビルを襲う“荒波”≫
 地上にいる人がガタガタ、グラグラと感じる通常の揺れは、周期(1往復の揺れにかかる時間)が0・5〜2秒程度。これに対し、周期がおおむね3秒以上の揺れが長周期地震動と呼ばれる。荒波にもまれた船内のように大きな揺れが建物によっては数分間以上も続く。

 一戸建てや中低層ビルよりも、超高層ビルや石油タンク、レインボーブリッジなどの長大橋のような大規模建造物への影響が大きいのが、長周期地震動の特性。建造物の規模が大きいほど揺れやすい波長(固有周期)が長いからで、地震の周期と建物の固有周期が一致すると「共振」によって揺れが増幅する。

 長周期地震動マグニチュード(M)7程度を超える規模の大きな地震で生じる。2003年の十勝沖地震(M8・0)では、震源から約250キロ離れた北海道・苫小牧で石油タンク火災の一因となった。5年前(04年)の新潟県中越地震(M6・8)では、震源から約200キロ離れた東京都庁(新宿区)などでエレベーターが緊急停止。長周期地震動対策の必要性が浮き彫りになった。


(参考)関東平野が揺れ続けています。>>  新潟中越沖地震のアニメーション(6MB)(出典:東大地震研資料)

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